この4月より、法人・個人を問わず、電力小売りが全面自由化されたこともあり、自由化によって市場に参入した新電力は、独自のキャンペーン・割引・料金プランなどを打ち出し、顧客の獲得を目指しています。
すでに地域の電力会社から新電力に切り替えをした人も多いかもしれませんね。
しかし、ついに東京電力もこの度お得なプランを開始して、新電力との競争を意識した体制をしっかりと整えてきました
そのお得なプランの名前は…
プレミアムプランです
こちらは主に大家族や、電力を多く使う世帯にはかなり電気代が安くなり、新たな電力会社に乗り換えるよりもお得になるケースがあるんです
今回は、「東京電力エナジーパートナー」が提供する「くらしTEPCO」の「プレミアムプラン」についてご紹介していきます。
東京電力の新体制では、火力/燃料・一般送配電・小売と3つの事業が分社化されたんです。
このうち電力の小売事業を担当するのが「東京電力エナジーパートナー株式会社」になります。
目次
東京電力のプレミアムプランの特徴
東京電力はホールディングカンパニー制を導入し、東京電力ホールディングス(TEPCO/Tokyo Electric Power Co.)のもと、分社化された3つの会社で各事業の運営を行うことになりました。電力小売事業を担う「東京電力エナジーパートナー」のほか、一般送電事業を担う「東京電力カフュエル&パワー」、燃料・火力発電事業を行う「東京電力パワーグリッド」が存在します。電力自由化によって消費者と直接関わりがあるのは、「東京電力エナジーパートナー」ですが、電力の発電から送電に至るまでを、これら3つの事業で確立させています。
関東地方では、これまで東京電力から電力の供給を受けてきたわけですが、電力自由化以降に東京電力が提供する他のプランに変更するとどう変わるのでしょう。東京電力が提供するプランの中に、今回の電力自由化に伴って新たに加わったプランがあるのをご存知でしたか?実は、毎月の平均消費電力の多い家庭に向けた「くらしTEPCO」という契約がラインナップに加わりました。
ちなみに、従来の従量電灯B・Cは、毎月の平均消費電力が300kWh未満の世帯向けの契約ですので、電力使用量が少ない世帯では従来の契約を継続することをお勧めします。
東京電力のプレミアムプランの対象エリア
2016年4月現在、「くらしTEPCO」は東京・中部電力・関西エリアにて提供されています。その他エリアについては、順次拡大していく予定です。
関東エリアでは「くらしTEPCO」の全てのプランを選択することができますが、中部エリア・関西エリアの人は、スタンダードかプレミアムプランのみの選択となっています。
上記地域にお住まいの人でも、離島にお住まいの人や、高圧一括受電や社宅など建物全体での電力受給契約を結んでいる人はサービスの対象外となることがあります。
関東エリア
栃木県、群馬県、茨城県、埼玉県、千葉県、東京都(島嶼地域を除く)、神奈川県、山梨県および静岡県(富士川以東)
中部エリア
愛知県、岐阜県(一部を除く)、三重県(一部を除く)、静岡県(富士川以西)および長野県
関西エリア
滋賀県、京都府、大阪府、奈良県、和歌山県、兵庫県(一部を除く)、福井県の一部、岐阜県の一部および三重県の一部
東京電力のプレミアムプランの料金プラン
「くらしTEPCO」には、以下の4つの料金プランが用意されています。
・スタンダードS,L,X:時間帯を気にせず電気を使いたいご家庭に ・プレミアム:大家族、ペットがいるなど使用量が多いご家庭に ・スマートライフ:これからオール電化住宅にお住いのご家庭に ・夜トク8,12:日中は不在がちで夜間の使用量が多いご家庭に
今回は「プレミアムプラン」について検討してみることにします。ちなみに、従来の契約を継続すると従量電灯B・Cになります。
従量電灯B・Cが1kWhあたり29.04円(6月からは30.02円)かかるのに対して、「プレミアムプラン」では最初の400kWhまでは9,700円の定額料金となるのが特徴です。したがって、電力使用量が200kWhでも400kWhでも電気料金は9,700円ということになります。
つぎに、従量電灯B・Cの6月から適用される電気料金は、以下のようになっています。
第1段階料金:最初の120kWhまで19.52円 第2段階料金:120kWhから300kWhまで26.00円 第3段階料金:300kWh超は30.02円
この料金体系をもとに使用量400kWhまでの各段階の電気料金を計算してみると、以下のようになります。従来の従量電灯B・Cの契約においては、400kWh使用する世帯では10,024円かかることになります。いっぽうの「プレミアムプラン」は9,700円の定額料金ですので、「プレミアムプラン」の方がこの時点で324円お得ということになります。
1. 120kWhまで:120 kWh×19.52円=2342.4円 2. 121kWhから300kWhまで:180kWh×26.00円=4680円 3. 301kWhから400 kWhまで:100kWh×30.02円=3002円
400kWhを超えた分からは従量料金(29円04銭/1kWh)になりますが、単価は従量電灯Bよりも安く設定されています。よって、400kWhを超えた分に関しては、使えば使うほど従量電灯B・Cと比べて料金が安くなるということになります。
下図は、これまでの説明のイメージになります。
また、「東京電力のプレミアムプラン」の料金を下表にまとめてみました。
東京電力プレミアムプランのメリット
ポイント還元される
「東京電力のプレミアムプラン」の大きなメリットして挙げられるのがポイントの付与です。
「くらしTEPCO」の契約をして会員登録すると、電気料金の支払い1000円ごとに5ポイントが付与される仕組みになっています。
TポイントとPontaポイントからの選択が可能で、1ポイント1円として利用することができます。
いずれもコンビニエンスストアやガソリンスタンドなど、さまざまなお店やサービスと連携しているので、頻繁に利用するポイントサービスを選ぶとさらにお得になります。
WEB申し込みでポイント付与
また「東京電力のプレミアムプラン」への申込みを東京電力のWEBサイトから行えば、さらに500ポイントをもらうことができます。
500ポイントあればコンビニで1食分浮かすことができますね♪
「東京電力のプレミアムプラン」への申込みは書面ではなくWEBで行うようにしましょう。
東京電力プレミアムプランのデメリット
ここまで「東京電力のプレミアムプラン」の特徴やメリットを中心にご説明してきましたが、「東京電力のプレミアムプラン」のデメリットについても考えてみたいと思います。
「東京電力のプレミアムプラン」のデメリットとしては、他の新電力と同様に、電力使用量が少ない世帯ではメリットが全くないことです。
「東京電力のプレミアムプラン」では9,700円の定額制をとっています。
そのため既存の従量電灯B・Cの契約で9,700円分以上の電力を使用する世帯のみが、メリットを受ける対象となります。
9,700円分とはどのくらいの電力かと言うと、約390kWh。
それほどの電力を平均して使う世帯はそう多くはないのではないでしょうか。
東京電力プレミアムプランのまとめ
「東京電力のプレミアムプラン」は、電気を使えば使うほど電気代が割安になる仕組みになっています。
上述の通り、電気をあまり使わない世帯が「東京電力のプレミアムプラン」に切り替えるメリットは全くありません。
また「東京電力エナジーパートナー」が提供するプランでは、新電力と比べると電力単価が割高に設定されていますが、他方でポイントの付与やキャンペーンに力を注ぎ、顧客を繋ぎ止めようとしています。
セット割やポイント・キャンペーンと、電力会社のサービスは多様になっています。そんな中で、消費者は電力会社が提供するプランの特徴を注意深く検討して、より多くのメリットが得られるような電力会社を選ぶことが求められてきています。